音大卒が保育士試験を実際受けてみて・・ここが一つの難所!
今後、これが保育に役立つのかどうかどうしても頭によぎりますが
試験勉強として学ぶべき箇所と今後の保育生活に役立つ情報をしっかり解説していきますよ!
参考文献:ユーキャン 保育実習理論テキスト / 音楽之友社 楽典 理論と実習
楽語は一部抜粋で掲載しています。
詳しい解説は「楽語:洗足オンラインスクール」がオススメです
https://www.senzoku-online.jp/theory/classic/13/gakugo-01.html
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音楽記号と音楽用語(標語)
下の二つの画像ではアーティキュレーション以外、すべて同じ(似た)意味を表しています。
これまでは音符や小節、拍子など楽曲の根幹を学んできましたが
次は音楽を演奏する上で必要な
「速さ」
「強弱」
「アーティキュレーション(奏法)」
「曲想(発想)」
この4つを付加した記号や用語を学んでいきます。
楽語はイタリア語が基になる上に、こども向け音楽にはあまり縁がない言葉が多いから馴染みもないし覚えるのはつらいけどね~
速度表記
速度は ♩=80のような「4分音符を1分間に80個入る」といった絶対的な数値を表す「記号」のものもあればModeratoといった「標語」で表す場合もあります。
標語 | 読み方 | 日本語訳 |
Largo | ラルゴ | 幅広くゆっくりと |
Lento | レント | 遅くゆるやかに |
Adagio | アダージョ | ゆったりと |
Andante | アンダンテ | 歩く速さで |
Moderato | モデラート | 中くらいの速さで |
Allegro | アレグロ | 速く |
Vivace | ヴィバーチェ | 活発に |
Presto | プレスと | 急速に |
クラシック以外ではM.M. 80(メトロノーム)
BPM80(Beats Per Minute)で表す場合もあります。
これは♩=80と同等のテンポです。
参考書によって順番が前後したり(特に遅いの表現はそれぞれ)、ここに記載されていない標語もありますが、まずは遅いという指示にも「ニュアンス」の違いがあることに慣れましょう。
標語 | 読み方 | 日本語訳 |
ritardando (rit.) | リタルダント | だんだん遅く |
accelerando (accel.) | アッチェランド | だんだん速く |
a tempo | ア・テンポ | もとの速さで |
Tempo I | (テンポ・プリモ) | 最初の速さで |
こちらは曲の途中から速さを変化させる標語です。
付加語と接尾語
poco、un poco(付加語) | すこし |
~ issimo(接尾語) | きわめて |
また標語の前後にくっつけて、意味を強めたり弱めたりする補足させる副詞・形容詞のような言葉もたくさんあります。(「速度」に限らず、「強弱」「曲想」にも付きます)
まるでイタリア語の勉強のようになってくるので・・
音大入試向けの参考書ではなく保育士試験に特化した参考書などの音楽用語一覧から厳選して覚えた方がベストかもしれません。
強弱
強弱記号は上記以外にたくさんありますが、代表的な所はこちら。
記号 | 読み方 | 意味 |
ppp | ピアノ・ピアニッシモ・ピアニッシシモ | pp よりさらに弱く |
pp | ピアニッシモ | とても弱く |
p | ピアノ | 弱く |
mp | メゾピアノ | やや弱く |
mf | メゾフォルテ | やや強く |
f | フォルテ | 強く |
ff | フォルテッシモ | とても強く |
fff | フォルテ・フォルテッシモ・フォルティッシシモ | ff よりも強く |
強弱の変化などでもこういった「記号」、「標語」も使用されます。
作曲者が意図を伝えるために生まれた記号や標語たち・・
指示がどこまで有効かなんかプログラミング的な考えですよね~
曲想・発想
愛 | amabile | アマビーレ | 愛らしく |
活気 | animato | アニマート | 生き生きと |
歌 | cantabile | カンタービレ | 歌うように |
甘 | dolce | ドルチェ | 甘く |
田舎 | pastorale | パストラーレ | 牧歌風 |
陽気 | scherzando | スケルツァンド | おどけて |
曲を表す標語は数も多く、言葉は違えど似たような意味に感じたり、国や文化背景が違えば解釈も違ってくると思います。時間があれば、曲想の違いなど聴き比べると発見があるかもしれません。まずはざっくりと同じ表現のグループでとらえるのもいいでしょう。
童謡に情熱や甘美をもって弾くということもあまりないと思いますが!!!
アーティキュレーション
アーティキュレーションは奏法する上で変化させる部分を示しています。
楽譜上では「記号」で表されますが、意味は言葉の組み合わせにもなるのでまずは明確な部分をしっかり把握しましょう。
スタッカート | 音を短く切る 長さの基準は 1/2 程度 |
スタッカティッシモ | スタッカートより鋭く音を切る 長さの基準は 1/4程度 |
テヌート | 音を十分に保って |
テヌートスタッカート | テヌート+スタッカート(約 3/4 の長さで) |
マルカート | はっきりと |
アクセント | 強調して |
スタッカートアクセント | スタッカート+アクセント |
マルカートテヌート | マルカート+テヌート |
1/2程度の長さなんてどういうこと?なんて数値化して欲しい部分でもあるけれど、人間の演奏って数値化できないから人それぞれの表現があるのね~
オクターブ記号
意外と気づかないで弾いてしまうオクターブ。こどもの歌にはあまりでてこないかと思いますが。
リピート記号
リピート記号の場合、どういった順番で弾くのかしっかり理解しておきましょう。
曲想を覚えるよりも、こどもの音楽を弾く上では実践につながる知識だと思います✨
この記号なんだろクイズ
ピアノ初心者よりも中級者になるとこういった記号の指示がでてくることでしょう。
記号を見て弾くことと、試験で回答するのは、また違う感覚だと思いますので。
ピアノに慣れ親しんだ人にとっては馴染みのある記号かもしれません。
こういうった記号は童謡や唱歌などメロディ主体の楽譜にはめったにでませんが
一つずつピアノで弾いてみて身に着けてもいいでしょう。指と感覚で覚える記憶術!
音楽記号と用語の模擬テスト
実際の保育士試験ではこういった形式で用語の知識を問われます。
(過去問ではなく例題として作ってみました)
このように組み合わせとして正答を求められるので、覚えていない言語がでてきても
他の知ってる言葉があれば答えを導くことができます。
例題として少し意地悪(?)な用語も混ぜました。
「遅く」の速度表記も同じ意味でもいつから遅くするかの違いあります。
「短く」の奏法も似たような意味ですがピッチカートは弦楽器用の言葉です。
「強く」も小節単位かその音のみ強いのか指示する場所が違います。
このように広く浅く覚えることが逆に混乱を招きそうなのが音楽用語の問題なのです。
しかも頑張って覚えたところで保育生活に役立つのか・・そう思ってしまうのも悲しいところ。
しかし出題率も高い分、点数が取れる所なので
問題形式に慣れておくにこしたことはないぞ!
自分が作曲者になったらどう指示するのか・・という目線で考えてみてもいいでしょう。
もともとは作曲者が意図を伝えるために編み出されたのが音楽用語なのです。
まとめ
保育士試験の問題としてでてくる用語の組み合わせ問題は出題率も高いですし、ひたすら用語の暗記を重視してもよいかと思います。といっては身も蓋もないかもしれませんが・・
試験というのは試験を解くテクニック力も問われます。
暗記するにこしたことはないですが、保育士試験には音楽用語以外にも
栄養要素、色彩の知識などジャンルが幅広く暗記する項目も多いのも事実。
確実に取れる部分を意識してぜひ取り組んでみてくださいね!
次回からいよいよ、音楽試験に必須な音程を学んでいきますよ♪
いわば音楽の味付け・・「優雅に弾く」と指示されても人それぞれの解釈によって十人十色の演奏となるのです✨