音程と度数は試験でも一番の要!
音楽試験は全教科の中でも数学のポジション 理論的な視点が必要になります。
度数の把握は移調する際に必要な知識ですのでここはしっかり学びましょう!
音程と度数
音程とは二つの音の幅(高低差)です。
音の度数はその二つの音の間の幹音の数を示します。
度数の数え方
度数は2つの音の幅=幹音の数を表します。
上の画像のように、変化記号に関わらず度数は同じです。
オクターブまでの音程を「単音程」
オクターブを超えた音程を「複音程」といいます。
度数の種類
2つの音の幅=幹音の数は絶対的な数値を表します。
しかし、実際は変化記号がつくことで二音間の幅は変化しているのです。
その幅の種類(系列)を表すためにどの度数の前にも
必ず「減」「短」「完全」「長」「増」の種類を表記します。
このように変化記号がついてもついていなくても度数は同じですが
幅がどれくらいなのかを度数の前に表記するルールがあるのです。
分類の方法は順を追って解説しますよ♪
ここからはしっかり理論武装できるよう、ルールを覚えていきましょ!
度数による系列の種類
音程は度数(幹音の数)によって2つの系列に限定されます。
度数の分類は絶対覚えよう!
1,4,5,8
2,3,6,7
度数が1,4,5,8度ならば「完全系」
度数が2,3,6,7度ならば「長短系」
この度数が最初に決まる絶対的な分類の分け方です。
完全系1,4,5,8度
1度と8度(オクターブ)は完全系です。
4度、5度は完全系です。
しかし、1度と8度と違って4度と5度にはそれぞれ一つずつ特別枠となる度数があります。
4度の「ファソラシ」以外を見てみましょう。
全てに「ミファ」「シド」の半音が必ず含まれます。
5度も同じように「シドレミファ」以外を見てみましょう。
今度は「ミファ」か「シド」の半音が一つだけ含まれています。
特別枠の
4度「ファソラシ」は半音が含まれないので増4度となります。
5度「シドレミファ」は半音が二つ含まれるので減5度となります。
4度は「ファソラシ」は増4度 /それ以外は「完全4度」
5度は「シドレミファ」は減5度 /それ以外は「完全5度」
この辺りは暗記して乗り切るがヨシ。
完全の場合、半音減ると「減」 半音増えると「増」と上下します。
1,4,5,8度の場合は「完全系」を基準にして
音程の幅によって「増」と「減」どちらであるかを判定します。
長短系2,3,6,7度
長短2・3度系
2度と3度は長短系です。
まずこの「長短系」という枠を前提とし、音程の組み合わせの中に、
他と幅が違うものを探してみましょう。
2度:「ミファ」「シド」以外、何が違うでしょうか?
先ほどの半音の仕組みを思い出してみてください。
3度の「レミファ」「ミファソ」「ラシド」も完全系と同じルールで
半音が含まれているか否かを調べてみましょう。
2度は「ミファ」「シド」の半音が含まれるので「短2度」
3度は「レミファ」「ミファソ」「ラシド」「シドレ」と半音が含まれるので「短3度」
2度は「ミファ」「シド」以外は「長2度」
3度は「レミファ」「ミファソ」「ラシド」「シドレ」以外が「長3度」
基本の音程は暗記で乗り切れる所もあります。
しかし半音の理解は和音の問題にも繋がるので確実にものにしていきましょう!
長短6・7度系
6度・7度は長短系です。
ここまでくると音程の仕組みがわかってきたのではないでしょうか?
6度の場合は「ミファソラシド」「ラシドレミファ」「シドレミファソ」が・・
7度の場合は「ドレミファソラシ」「ファソラシドレミ」以外が・・
ここからは自分で書き出してみよう!
音程問題を解く練習になるよ
度数が大きくなれば半音も含まれてくるので「短」が増えます。
このようにまず前提とした音程内に半音が含まれるか判定することに慣れていきましょう。
6度は「ミ-ド」「ラ-ファ」「シ-ソ」が短6度 /それ以外が長6度
7度は「ド-シ」「ファ-ミ」がが長7度/ それ以外が短7度
長短系には短よりさらに半音狭い「減」 長よりさらに半音広い「増」があります。
まずは短⇔長の仕組みに慣れておきましょう
度数と音程の例題を解いてみよう
次の音程を考えよう!
保育士試験では音程の知識を応用した移調や和音の問題が出される傾向にあります。
音程問題は、ルールに沿って解くのがポイントです。
記事冒頭の「度数の数え方」を音程問題の練習として解いてみましょう!
①まず幹音の数を数え、度数を確定させます。
変化記号は度数そのものに関係ありません。
②度数が確定したら、次は種類を表記します。
2度は長短系、5度は完全系でしたよね。
さて次にチェックするのが、
●半音の有無
●変化記号の位置
です。
変化記号 ソ♭は半音下がり、ソ#は半音上がっています。
幅が狭くなっているのか広くなっているのか判定しましょう。
「長」から半音減る「短」→「短」から半音減る「減」→「減」から半音減る「重減」
「短」から半音増える「長」→「長」から半音増える「増」→「増」から半音増える「重増」
「減」よりも狭い「重減」/「増」よりも広い「重増」が
音程の最下位・最上位になります。
正解はコチラ
2度の場合、二つを比較するとシドは半音が含まれているので短二度と判定できます。
5度の場合、完全系から変化記号(半音)によって幅が変化しているので減・増になります。
変化記号の「#」「♭」は基の性質として
#「半音上げる」♭「半音下げる」の意味合いをもっています。
「#」だから半音上がった→幅が広くなる。
「♭」だから半音下がった→幅が狭くなる。
(逆に捉える人もいます)
こういった錯覚に陥りやすいので注意してください。
これは楽譜では上降系の音符には#の変化記号、
下降系の音符には♭の変化記号をつける傾向にあるからです。
ピアノに弾き慣れてる人はつい感覚で答えてしまいがちに
はい、試験でミスしたのは私のことです。
変化記号が下の音符に付くのか上の音符に付くのかで半音の幅が広くなるのか狭くなるのか一つずつクリアしていきましょう。
まとめ
音程問題は1記事にたくさんの情報を載せてしまいました。
基本の音程だけなら暗記で乗り切れてしまう部分もありますが
ここをしっかり理解しておかないと、保育士試験で絶対でてくる和音や移調に
対応できないので、時間がある限り問題集などで解きなれておきましょう!
さぁ、学んだ事を踏まえて次は音階へと進みますよ♪
幹音は#、♭など変化記号のついていない音のことをいいます。
「譜表と音名③」で解説しましたね♪