もくじ
音楽を学ぶことで頭が良くなる ?
音楽を学ぶことで頭が良くなる・・と極端な話に聞こえますが今回は知育と教育的なお話。
音楽を学ぶだけでテストの点が取れる、IQが高くなるという極端な話ではありません。
音楽を学ぶことが幅広い理数系分野につながっていく、
感性や感覚のセンスが問われるような芸術分野でも、
科学や理工学の世界に深くかかわってくるSTEAM教育についても読み解いてみます。
科学 工学の名門校 MIT マサチューセッツ工科大学で音楽授業をする理由
「MIT マサチューセッツ工科大学 音楽の授業 ~世界最高峰の「創造する力」の伸ばし方」
著:菅野 恵理子 あさ出版 2020/09/12
この本の中で紹介されているのは理数系分野 世界最高峰でもあるMITで音楽の授業を取得する生徒が4割もいるという事実。
そこでは音楽大学の講義と同等の内容の授業が行なわれており、
音楽をただ教養として学ぶのではなく現在日本でも重要視されているSTEAM教育にどう関わっていけるのか音楽療法士としてもピアノ講師としてもとても興味深い内容が書かれていました。
STEAM 教育 とは
STEAM教育とは
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5つの領域を統合的に学ぶ教育理念で、
それぞれの分野の単語の頭文字が組み合わさってSTEAMと呼ばれています。
ほんの少し前まではSTEM教育と呼ばれていて、[Art]のAの文字はは無かったのですが
この並びに科学や工学にも【創造力】【表現力】が求められるようになり今の形となりました。
音楽×STEAM教育の具体例を考える
音楽史
例えば「音楽史」の授業では時代背景と共に何故その音楽がその時代に生まれたのかを読み解くことで、その当時の人々が求めていたもの、その当時にその音楽が生まれた理由など【創造】を巡った歴史の流れを知ることになるでしょう。
楽曲分析
また音楽を聴いて楽曲がソナタ形式、ロンド形式など構成を分析するのは、とてもプログラミング的な思考を養う試みでしょう。感情を表現するためにどうしてこの歌い方、旋律なのか、様々な怒りをうたうオペラを比較して【表現】を考察するのも非常に面白いです。
アンサンブル(合奏・合唱)
楽器演奏などアンサンブルも協調性・チームワークを養うために行うそうですが
グループで問題解決する【コミュニケーション能力】を得るのも納得の授業です。
しかも幼少期からの音楽経験が必要とされないのもとてもオープンな環境ともいえます。
まさに音楽療法の考えである「社会的作用」(協調性を養う)効果を音楽活動を通して無理なく自然に行うというのがとてもよいですよね~
しかも、音楽経験を必要としないのがオープンな証拠!
音楽全般の教養を紐解くことで複合的な学びにつながっていることがわかるかと思います。
音楽をプログラミング学習の導入として
プログラミングが小学校の教科として導入されるようになってから、街のあちこちで「プログラミング教室」が目立ってきました。
あまりIT分野に縁がなかった親御さんにとってみればプログラミングをどう子供に教えればいいのか悩まれることでしょう。
でもプログラミングは色々な分野を応用しながら学ぶことができます。
自分だけの楽器をつくれ | Why!?プログラミング | NHK for School
スクラッチで、いろいろな音楽を作ることができる”楽器”のスクラッチ・ワールドがこわれてしまった。プログラミングでなおし、自分だけの楽器を作るのだ!
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005180311_00000
NHKで公開されているプログラミング番組で授業の参考にできる音楽を関連にしたテーマは何件かあります。このように音楽と関連させてプログラミングも学ぶことができるのです。
プログラミング=ロボット作りをしている光景がよく宣伝写真として載っていますが、自分の好きな分野からプログラミンの扉を開くことだってできるのです。
まとめ
音楽を学ぶことで頭が良くなる・・と最初に言いましたが、そこには学習として学ぶ目的や意図を持って音楽に取り組む必要があるのでしょう。
音楽療法は
「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、音楽を意図的、計画的に使用すること」が前提としてあります。
意図や目的をもって導く人がきちんといるからこそ意味があるのです。
しかし音楽療法はあくまでも「発達支援」「生活の質の向上」が目的です。
認知症患者の認知力改善や予防を目的に音楽活動を行うことはありますが
IQなどの知能を上げるために音楽療法はけして行いません。
また音楽療法に限らず気を付けて欲しいことが知育や教育目的が前面にでてしまうと心から音楽を楽しむことができなくなる可能性があります。こどもが音楽と触れ合う中でも発見や気づきという学びの種に気づくように、その芽が育つように自然と導けるのが理想ともいえます。
芸術は音楽以外にも絵を描いたりの創作活動、ダンスや演劇などの舞台芸術など幅広く含まれるそうです。こどもMusiQ♪ではもちろん音楽を解説していくよ。